家主不在型の定義は「原則1時間」
家主不在型とは、人を泊めている間にオーナーが原則として1時間を超えて物件を不在にする形の民泊です。自宅の一部を貸す、自宅の隣接地で運営するといった形でなければ、投資用・セカンドハウスの民泊はほぼすべてここに入ります。
反対に、同じ建物か隣接地にオーナーが居て、宿泊中も基本的に滞在しているものが家主居住型です。買い物などの短時間の外出は不在に含まれません。どちらに当たるかで、このあとの義務が変わります。
何が義務なのか
- 登録を受けた管理業者への委託
- 住宅宿泊事業法第11条により、家主不在型の届出住宅は、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者に管理業務を委託しなければなりません
- 委託先は1社
- 複数の会社に分割して委託することはできません。清掃だけを別会社に出す形は、管理業務の再委託として管理業者の責任のもとで行われます
- 居室が5室を超える場合
- 家主居住型であっても、居室数が5を超える場合は同じく委託の対象になります
- 例外
- オーナー自身が住宅宿泊管理業者の登録を受けている場合は、自分で管理できます
- 標識の掲示
- 届出住宅ごとに、見やすい場所へ標識を掲示する義務があります。委託の有無にかかわらず必要です
届出の手続きと必要書類の全体像は福岡で民泊を始めるには? 届出の流れ・180日ルール・物件の確認ポイントにまとめています。
住宅宿泊管理業者と運営代行は何が違うか
「運営代行」は商習慣上の呼び名で、法律上の資格ではありません。一方「住宅宿泊管理業者」は国土交通大臣の登録を受けた事業者を指します。家主不在型で委託先として認められるのは後者だけです。
| 住宅宿泊管理業者 | 運営代行(登録なし) | |
|---|---|---|
| 位置づけ | 住宅宿泊事業法にもとづく登録事業者。登録番号がある | 商習慣上の呼び名。法律上の登録ではない |
| 家主不在型の委託先 | なれる | なれない |
| 担う業務 | 宿泊者の衛生確保、安全確保、苦情対応、標識の掲示など法定の管理業務 | 掲載・価格設定・予約対応など、法定の管理業務以外を含む幅広い業務 |
| 参入のしかた | 登録を受ける必要がある(新規登録時に登録免許税9万円) | 届出や登録なしに始められる |
実務としては、1社が両方を担っていることが多くなります。当社も住宅宿泊管理業の登録事業者(国土交通大臣(01)第F06281号)として、法定の管理業務と、掲載・価格設定・清掃までをまとめてお受けしています(民泊運営代行)。業務範囲と手数料の相場は民泊代行とは? 業務範囲・手数料の相場・福岡で任せる前に確認したい7項目にまとめています。
契約前に登録を確認する
- 登録番号の提示を求める。「国土交通大臣(01)第F◯◯◯◯◯号」の形です。サイトに載せていない会社には、契約前に文字で出してもらってください
- 自社の宿を持っているかを聞く。実際に運営している宿があれば、その公開レビューが仕事の結果そのものです。当社は福岡市内で自社宿 AKARI・AZETA を運営しています(自社宿のページ)
- 苦情対応の窓口を確認する。近隣からの連絡を誰が受けるのか、夜間はどうなるのかを先に決めておきます
- 清掃を内製しているか外注かを聞く。外注の場合、繁忙期に枠が取れるかどうかが変わります
登録の有無は、届出が通るかどうかに直結します。価格や相性の前に、ここだけは先に確認してください。
登録が確認できたら、次は委託契約の中身です。あとで揉めるのはたいてい次の5点で、どれも契約書に書けるものです。
- 委託する業務の範囲
- 法定の管理業務だけなのか、掲載・価格設定・ゲスト対応・清掃まで含むのか。含まないものがあれば、それを誰がやるのかまで決めます
- 報酬の形
- 売上連動か定額か。清掃費・リネン・消耗品が報酬に含まれるか別請求かで、実質の負担が変わります
- 再委託の可否
- 清掃などを別の会社に出すことがあるか。出す場合も、責任は委託を受けた管理業者側にあります
- 報告の頻度と中身
- 清掃の完了報告、月次の売上と費用の内訳。手元に残らない形だと、あとから検証できません
- 解約の予告期間と引き継ぎ
- 辞めるときの条件を、始めるときに決めておきます。OTAアカウントの名義も契約時に確認してください(民泊の運営代行を切り替える手順)
よくある質問
家主不在型と家主居住型はどう違いますか?
人を泊めている間に、オーナーが原則として1時間を超えて物件を不在にするものが家主不在型です。同じ建物か隣接地にオーナーが居て宿泊中も基本的に滞在しているものが家主居住型で、買い物などの短時間の外出は不在に含まれません。自宅と別の物件で行う民泊は、ほとんどが家主不在型にあたります。
家主不在型だと必ず管理会社に委託しないといけませんか?
住宅宿泊事業法第11条により、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者1社への委託が義務です。複数社に分割して委託することはできません。例外は、オーナー自身が住宅宿泊管理業者の登録を受けている場合だけです。居室数が5を超える場合は、家主居住型であっても委託の対象になります。
運営代行会社ならどこでも委託先にできますか?
できません。「運営代行」は商習慣上の呼び名で、法律上の登録ではありません。家主不在型の委託先として認められるのは、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者だけです。契約前に「国土交通大臣(01)第F◯◯◯◯◯号」の形の登録番号を文字で提示してもらってください。
委託先はどうやって選べばいいですか?
まず登録番号の提示を求めること。そのうえで、自社で運営している宿があるか(公開レビューが仕事の結果になります)、近隣からの苦情を誰がいつ受けるか、清掃を内製しているか外注かの3点を確認してください。当社は住宅宿泊管理業の登録事業者(国土交通大臣(01)第F06281号)で、福岡市内で自社宿を運営し、清掃も自社スタッフが担当しています。
本記事は2026年11月2日時点で、観光庁 民泊制度ポータルサイトおよび住宅宿泊事業法の規定をもとに作成しています。制度は変わることがあるため、届出と委託の際は最新の公式情報をご確認ください。